結論から言うと、CTレントゲンなしの歯型や口腔内スキャンだけを集めても、臨床的に意味のある診断データにはなりにくいです。
目次
1. CTレントゲンの役割
- CT(特に歯科用CBCT)は、骨格・歯根・埋伏歯・気道・関節まで立体的に把握できます。
- 矯正設計や外科処置の可否を判断するには不可欠で、表面的な歯並びデータだけでは不十分です。
2. CTなしで集められるデータ
- 口腔内スキャナーや写真で得られるのは、基本的に**歯冠形態(見えている部分)**だけ。
- 患者がスマホで撮った写真や型採りした模型と同等で、「表の見た目情報」しか集まらない。
- したがって「本当に矯正が可能かどうか」「骨格の制限は何か」といった判断はできません。
3. データ収集の目的が異なる場合
一方で、CTがなくても意味があるケースがあります:
- マーケティング目的:どの年齢層・どの地域で「歯並びに関心があるか」を調べたい場合。
- AI学習の素材:歯の見た目データを大量に集めて「自動で歯並びの良し悪しを分類」するなど。
この場合は「医学的な診断」ではなく、「傾向把握」や「AI判別の学習データ」としては利用できます。
4. まとめ
- 臨床診断用データ → CTなしでは価値が限定的
- マーケティング/AI学習用データ → CTなしでも一定の意味はある