矯正歯科注意矯正歯科注意

「上の前歯が気になるんです!」

多くの方がこうおっしゃって受診されます。しかし、前歯だけを並べるのが正しいのでしょうか? 実は成長期においては、歯が埋まっている土台の部分の治療が大切なのです。

実は上の前歯が並んでいれば「歯並びが良い」というわけではありません。身体にとっては、奥歯の咬み合わせも前歯と同じかそれ以上に大切です。奥歯は生えてこないと治療できません。

良い歯並びの条件 先進国はマルチブラケットで仕上げます

○現代では、アメリカで開発された「マルチブラケット装置(braces)」あるいはアメリカで開発されたインビザラインというマウスピース」を用いて、前歯だけでなく奥歯の咬み合わせまで仕上げるのが当たり前です。奥歯の咬み合わせが完成するのは、早くても12歳以降です。

あまり早期に治療を開始すると、奥歯が生えてくるまで時間がかかるので、治療期間が長くなり過ぎてしまいます。 ですからケースによっては、「今から開始しない方が良い」と申し上げる場合もあります。

○豊中市のこむら小児歯科・矯正歯科では、 ドイツのFORESTADENT社 マルチブラケット装置(braces)を使用して、小学校4年生くらいから治療を開始するケースが多くなっています。小学校5年生くらいからは インビザラインでの治療も行っています。

braces

○昭和40年代から使われている装置に「 床矯正装置」があります。歯型を元に技工所が作る簡単な装置なので、一般歯科での矯正に広く使われています。この装置はアゴを広げることはできますが、一つ一つの歯を3次元的に正確には動かせません。

下図のように 拡大床とマルチブラケット装置では、治療結果がまったく異なっていることに注意が必要です。拡大床のみでは 下の奥歯は手前に傾いたままです。

○「奥の詰め物がちょっと高いだけでも気になったご経験はありませんか?」 前から見えなくても 奥歯の咬み合わせは大切です。
現実には、親知らずが存在しないような非常に簡単なケース以外は、拡大床等の装置だけでは、歯並びと咬み合わせはキチンと治りません。

拡大床とマルチブラケットの違い

拡大床とマルチブラケットの違い

○マルチブラケット装置は 精度の高い調整を行わないと、良くない結果を引き起こす難易度の高い装置です。そのため、大学の矯正科か矯正の指導医のクリニックに勤務して、装置の使い方に習熟する必要があります。私は大阪大学小児歯科学講座で5年間咬合誘導を学び、神戸の「たけうち矯正歯科」で5年間勤務した後に開業しました。

豊中市のこむら小児歯科・矯正歯科では、下の写真のようなケースの場合、拡大後にマルチブラケット装置やインビザライン で奥歯を整直して、スペースを作ってから前歯を並べます。その際に下の親知らずの抜歯も必要です。

良い歯並び

良い歯並び

マルチブラケット装置やインビザラインは、咬み合わせも細かく修正できるので 、良い咬み合わせと良い歯並びの両方を実現することができます。

souchi

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更に複雑なケースでは、右上の写真のような各種装置(パラタルバー、ペンデュラム、急速拡大装置、クアドヘリックス、バイオネーター、ムーシールド、パナシールド、マイオブレース等)が状況に応じて必要になってきます。
私達は検査と診断をした上で、最適な時期に治療を開始し、症例に応じて色々な装置を適切に使い分けて、歯列の育成が必要なケースから抜歯が必要なケースまでを
前歯の並びだけでなく、奥の第二大臼歯の咬み合わせまで考慮して、治療を行っています。

平均的なケースなら10才くらいから

○前歯だけでなく、第二大臼歯(7番目の奥歯)までキチンと咬ませるためには、 14~16才頃まで(第二大臼歯が生えるのが12~13才頃のため)治療が続く場合が多いです。 しかし、こむら小児歯科・矯正歯科では、中学生まで待つのではなく、小学4年生くらい(下の写真の女子くらい)から治療を開始する事で、多くの患者さんを小臼歯非抜歯で治療してきました。

ブラケット ○ただ、抜歯が必要なケースでは、 第二大臼歯が生えてきて(12歳頃 写真の女子くらい)から治療を開始する方が 効率が良い場合もあります。

早期治療にはリスクもあります。 歯並びだけに気を取られて、虫歯になりやすい6歳臼歯が成熟する前に装置を入れると、 6歳臼歯が虫歯になりやすくなる場合もあります。

10才頃から始めた方が 効率的に治療が進むケースも多いので、まずは検査を行い、将来を見据えた診断を受けて、最適なタイミングに適切な治療を行う事が大切です。


床矯正は注意すべきこともある

exp ○ベテランの矯正の先生方と定期的に集まって話をする機会があります。低年令から床矯正装置だけを使用して、「これで終わりました」と別の歯科医院で言われたけれど、仕上がりに納得できないとか、「広げすぎて奥歯が咬んでないので心配になった」等、うまくいっていないケースで相談を受けると聞きます。

私は1992年の9月に 床矯正装置について論文を出しています。床矯正装置は簡単なケースであれば「広げたら、たまたまうまく咬んでくれた」というラッキーなケースもあります。しかし、アゴを広げて弾線で歯を傾斜させるだけの装置なので、床矯正装置にそれ以上多くを期待するのはムリがあります。

床矯正装置の注意点として以下のようなことが挙げられます。

  • 拡大し過ぎると、将来問題が出る(特に下前歯と下の小臼歯)
  • 拡大できる量には限度があり、上アゴと比べて下アゴはあまり広がらない
  • 限度を超えてアゴを広げると咬み合わせがズレる
  • 歯を傾斜移動できるが、3次元的に正確に動かす事ができない
  • 適応でないケースに床矯正装置を用いると、歯が外側に向き、出っ歯になったり口もとがふくらんだりしてしまう
  • 拡大し過ぎると

    拡大し過ぎると

○不正咬合は一人一人異なります。 それぞれの不正咬合にキチンと対応するには、歯を色々な方向に3次元的に正確に動かす必要があります。

顎間ゴム

顎間ゴム

歯並びを良くして 咬み合わせのズレを直すためには、 歯の動きを3次元的に正確にコントロールできるマルチブラケット装置(braces)が欠かせません。一つ一つの歯にブラケットを固定し、ワイヤーのねじれやたわみの力、ゴムの力を利用して、上の図のように歯並びや咬み合わせを細かく修正していきます。インビザラインではさらに精度の高い仕上げが可能です。しかし、パワーと精度に欠ける取り外しの床矯正装置では、このような治療はできません。

私も床矯正装置の体験者です

側面頭部エックス線規格写真 1970年代に、私は小学校低学年で矯正治療を行いました。 当時の矯正は 側面頭部エックス線規格写真(写真)を含む検査を行なわず、床矯正装置のみの使用でした。治療の結果、なんとか前歯は並びましたが、咬み合わせは 右に大きくズレたままでしたので、成人してからマルチブラケット装置で再矯正する必要がありました。 残念な事ですが、 一般歯科医向けのセミナーでは、このレベルの治療が現在でも教えられています。お子様の奥歯のかみ合わせを無視してはいけない ○「今、すぐに始めないと手遅れになります。」、「早く始めたら早く終わりますよ」、「予防矯正をしておけば、歯に器具をつけなくてすみますよ」等、保護者の不安を逆手に取った「低年齢からの既製の装置や拡大床を使っての治療」が蔓延しています。

いずれ患者様にバレる嘘をどうしてつくのかが私には理解できません。

しかし、お子様は大人と違って適応力があるので、乳犬歯を適当に抜いたり、合わない装置を入れたり、むやみにアゴを広げたりしても、あまり不調を訴えません。

前歯を並べるために乳歯を早めに抜くと、下の図のように大臼歯が手前に倒れて スペースが失われ、前歯が伸びて 奥歯のかみ合わせがおかしくなってしまいます。

early_loss

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しかし、お子さんは、咬み合わせが少々おかしくても 不調を訴えませんので、すぐには問題が表面化しません。これはお子様にとってはとんでもない話です。

早期に乳歯を抜いてしまったり、ディスキング(IPR)を行えば、難易度が上がってしまって 下の図のように、マルチブラケット装置でパワーをかけて、奥歯まで正確に起こさないと治らなくなります。抜歯やディスキング(IPR)を奥歯が手前に傾斜している状態で行うのは間違いです。

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歯が大きいケースは抜歯しないと並ばない

○最近は矯正をご経験された保護者も多く、「私も子どもの頃から矯正していたら非抜歯でできたのですか?」と聞かれる ケースが多いです。

確かに、矯正歯科材料の性能は昔に比べて上がっています。しかし、歯が非常に大きいケースでは 小さい頃からあごを広げたとしても、昔も今も、日本でもアメリカでもヨーロッパでも、抜歯矯正しないと並びません。(もちろん、それぞれの歯を限度(片面で0.25mm)を超えて削って小さくすれば、抜かずに早く並べることができますが、そもそも限度以上に歯を削る事自体が論外です。歯科医師のモラルが問われています。

たとえば、普通の大きさの家具が8個しか入らない小さな部屋に 大きめの家具を
並べるためには、家具の数を減らして7個にするか、又は一つ一つの家具の大きさを小さくするしか方法がないのと同じです。

○実は、マルチブラケット装置は 阪大歯学部の同級生に限っても 73人中7人くらいしか使いこなせないのが現実です。残念な事ですが、マルチブラケット装置を使いこなせない日本の歯科医の一部が、マルチブラケット装置を「針金矯正」と揶揄したり、抜歯矯正そのものを悪く言うことが矯正治療に対する誤解を増長しています。

当院には、海外から「帰国された患者様」や「保護者ご本人が抜歯矯正された方」も多くお越しになります。この方々は、この記事のように矯正について 歯科医よりも良くご存じですから「とにかく床矯正装置で歯を抜かずに治療を行って下さい」とは決しておっしゃいません。 小臼歯の抜歯が必要なケースは、低学年から治療を開始せずに、小学校5年生くらいまで経過観察することもあります。

非抜歯ケースでも親知らずは抜歯しないと並ばない

親知らずは、生えてくる時に強い力で前の歯を押すため、「ドミノ倒し」が起こって 歯並びを悪くします。ですから矯正治療の完全な終了は、すべての親知らずを抜き終わった後に 達成されます。矯正治療の途中で、親知らずを抜かないといけない場合も多いです。

wisdom_teeth

wisdom_teeth

メールや電話だけでは正しい診断は難しい

○お子様の「良い未来」をつくるためには、まず良く調べる必要があります。リフォーム前に詳しい現地調査が必要なのと同じです。メールや電話だけでは、診断の材料となる重要な情報を把握できず、誤診につながる可能性もあるので、危険です。

さて、家をリフォームするには、平面図も立面図も必要です。平面図だけでは正確な工事はできません。歯の矯正も同じです。通常の歯のレントゲンでは平面図を作製できません。立面図だけです。立面図だけで窓の位置を変えようとするリフォームはいかがなものでしょう?

レントゲン

このレントゲンだけでは正しい矯正などできません。矯正のための平面図づくりには、下のようなセファロレントゲン写真撮影と計測、分析が絶対に必要です。

レントゲン

リフォーム工事における大切な「平面図」が、セファロ分析です。しかし、大半の歯科医院にはこのセファロレントゲンを撮影する設備がありません。

○こむら小児歯科・矯正歯科では、必要な資料を採得し、問題点を明確にしてから治療を開始しています。「お子様や保護者が気になっている問題点」+「検査して初めてわかる問題点」の両方をクリアしないと正しい治療はできません。検査の結果、簡単なケースであれば、装置が少なく期間も短くなるので費用は少なくてすみます。柱や壁の位置を変えずにリフォームが可能なら、費用が安くなるのと同じです。

私は豊中市で20年で1000症例の実績を積ませていただきましたが、今までセファロ分析なしで治療を行った事は一度もありません。

受け口を早めに改善した方が良い理由

早期治療のすすめ

早期治療のすすめ

受け口のままで放置すると、咬む力によって、上図のように下の前歯が前方に力を受けます。ですから 早期に上顎を大きくして、前方に引っ張って受け口を改善した方が良いと言われています。しかし、下顎の成長が非常に大きいケースでは 上顎の拡大と前方牽引では追いつかないので、成長終了後に外科矯正等の適応になります。

下顎の前歯がガタガタになりやすい理由

下顎前歯の叢生

下顎前歯の叢生

口を動かさずに生活するのであれば、歯並びは安定するのですが、現実には、私達はほぼ一日中口を動かしています。下顎が左右に動く度に、下顎の犬歯には内向きへの力がかかります。その力により、下の前歯がガタガタになろうとします。ですから、下の前歯のガタガタを防ぐためには保定が欠かせません。

ごく稀に、埋伏歯を引っ張っても出てこない場合があります

埋伏歯

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上顎だけにブラケット

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残念ながら歯科の世界でも自作自演はあります

実はGoogleで検索すると上位にくる矯正やインプラントの口コミサイトで、口コミを装った“ステマ”が行われています。

ついには、豊中市のこむら小児歯科・矯正歯科の症例写真を盗用したサイトまで登場しました。

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