矯正歯科の常識について
<ご参考:矯正歯科の常識について>
🦷「犬歯間の拡大は後戻りする」—— それが従来の常識でした
矯正歯科では長年、
「下あごの犬歯と犬歯の距離(犬歯間)を広げると後戻りする」ため、
その拡大は避けるべきとされてきました。
そのため、
これまでのワイヤー矯正では、永久歯が生えそろう13歳頃まで治療を待ち、
歯並びの問題がすべて明らかになってからスタートするのが一般的でした。
そして治療が始まると、
- 前歯を一定の位置に移動するために
- 下のビデオのように小臼歯を抜歯し
- 2〜3年かけてじっくりと歯を動かしていく
という流れがスタンダードだったのです。
⏳ ワイヤー矯正は、どうして治療期間が長くなるの?
ワイヤー矯正では、
以下のような段階を踏んで治療が進みます:
- 歯のねじれを除去
- 歯の高さ(挺出・圧下)をそろえる
- ゴムを使って前後や左右のバランスを整える
このように、順を追って少しずつ整えていく必要があるため、
治療期間はどうしても長くなりがちです。
一方で、インビザラインではこれらの工程を同時に進めることが可能なため、
治療がよりスムーズに進むケースも増えています。
上下の小臼歯を抜歯し、上下の前歯を下げるという矯正手法(※下記動画参照)は、ワイヤー矯正では長らくセオリーでした。
しかし、最新のデジタル技術の発達によって、その手法には、実はリスクが伴うことがわかってきました。
そのリスクとは、「歯が骨から出てしまう」というものです。
下の動画では、その様子がご覧いただけます。赤い部分が骨から出てしまっています。

🦷 抜歯による治療には、“見えないリスク”もあります
小臼歯を抜歯して歯並びを整える場合、
口元を必要以上に下げてしまうと、歯が骨の外に飛び出してしまうリスクがあります。
このような事態を防ぐためには、
骨の厚み・歯の根の向き・歯列全体のバランスなど、
立体的な情報をしっかり把握した上での治療計画が欠かせません。
🦷 もう“勘と経験”だけの時代ではありません
かつては、CTレントゲンなどを使わずに、
ワイヤーのみで歯を動かすのが当たり前でした。
しかし今は、
精密な3Dデータをもとに、治療を設計できる時代です。
当院では、
骨の状態や歯根の位置を把握できるCTを活用し、
一人ひとりに合わせたオーダーメイドの矯正計画を立てられる
インビザラインをおすすめしています。