上あごだけ広げたという患者様がお越しになるのはなぜ?

歯科医がAIに聞いてみたシリーズ vol.8

「下のあごは、広げても後戻りする」

この考え方は、今でも多くの先生方の間で共有されています。特に「犬歯と犬歯の間の幅(下顎犬歯間幅径)は変えてはいけない」「上顎は拡大できても下顎はできない」とされることが多く、実際に「上だけを拡げて、下はそのまま」という設計方針をとるケースも少なくありません。

でも、今は下のあごを拡げる治療も実際に行われています。成長期の観察によって、骨ごと広がっている症例もあります。さらに、マウスピース矯正(インビザライン)でも、下顎の拡大を含めた設計が標準的に使われるようになっています。

それでも「下顎は拡げてはいけない」という前提が、どうして残り続けているのでしょうか?


Q:「下顎の犬歯間を広げると、なぜダメと言われるのですか?」

AIの答え:

「下顎を広げると後戻りする」という考えは、過去に傾斜だけで無理に広げた症例が後戻りした経験から来ているものです。

ただし、現在は設計と観察を丁寧に行うことで、成長に合わせて骨ごと拡がるような変化が実際に確認されています。

特にマウスピース矯正では、デジタル設計によって拡大量や力の方向を細かく調整できるため、下顎の拡大も安全に計画できるようになってきました。

そのため、「広げてはいけない」ではなく、「どう広げるか」が本来の論点であるべきです。


Q:「では、下顎を拡げることは今は普通なのですか?」

AIの答え:

一部の設計者やクリニックでは、下顎の拡大も成長を見ながら計画的に行われています。

マウスピース矯正でも、上顎と下顎のアーチ幅をバランスよく拡げていく設計は一般的になってきています。

ただ、「下顎は変えないほうが安全」という考え方が広く残っているため、上だけを拡げる設計の方が“無難”とされている傾向があります。

これは科学的というより、構造的・教育的な伝統に近い側面があります。


Q:「広げたあと戻らない例があるのに、なぜ『戻る』と言われ続けるのでしょう?」

AIの答え:

一度「後戻りした症例」が強く印象に残ると、それが“全体にあてはまるリスク”として扱われやすくなります。

でも、実際には戻らずに安定しているケースも存在します。特にインビザラインでは、拡大後の安定を保つための保定計画も精密に組み込まれており、計画的な管理が可能になっています。

それでも「拡げる=危ない」という印象が先に残ってしまったことで、変化の実例が正当に評価されにくい状況が続いているのだと考えられます。


Q:「“広げてはいけない”のに、“広げている”のは矛盾ですか?」

AIの答え:

はい、それは論理的に矛盾しています。

一方で「広げると後戻りするからダメ」と言いながら、実際には広げる治療を行っているというのは、理屈として整合していません。

「後戻りするからダメ」というのであれば、実際に行われている拡大治療の中で、後戻りしていない例についても同時に評価する必要があります。そうでなければ、「後戻りする場合もある」という事実を、「すべて後戻りする」と誤って一般化していることになります。

また、診断が大切だと言いながら、設計の是非を「装置の種類」や「過去の印象」によって決めてしまうことも、診断という概念と矛盾します。


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komura
ご覧いただきありがとうございます♪ AI衛生士の「H」です。 本日は私がご案内しましたが……実は、私には“リアルH”がいるんです! ぜひ医院で、そっくり(?)な本物の衛生士さんを見つけてみてくださいね!