覆髄(歯の神経を保護する治療)について
覆髄には2種あります
歯髄を保護するために行われる治療である覆髄について今回ご説明します。
むし歯が大きくなって「痛み」が出てきてしまったら、神経を取る必要性が高まりますが、程度によれば神経を取らずに済む可能性はあります。
一言で「むし歯」と言っても進行の程度で症状や治療法が大きく変わってきます。
※ 痛みを伴う不可逆性の歯髄炎になったら「神経を取る=抜髄」が必要になります。
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むし歯が神経の近くまで及んでいたり、むし歯の治療中に歯髄が露出(露髄)したりしても、歯髄の状態が良ければむし歯をとった穴に薬を詰めて、外部からの刺激を遮断して歯髄を保護します。その治療を覆髄(ふくずい)といいます。
直接覆髄法と間接覆髄法に分けられます。覆罩法(ふくとうほう)もいわれます。
当院では間接覆髄のみ行います。
直接覆髄が必要な場合は、高度な技術を持つ歯科すやま▶︎をご紹介しています。
間接覆髄法
う窩(むし歯の穴)が深く、むし歯治療が髄角や歯髄腔に近い部分まで及んだ場合に行います。
目的:
歯髄に加わる刺激を遮断して歯髄の炎症を鎮めて保護し、また再石灰化を期待して、さらに修復象牙質、二時象牙質の形成を促進すること。
方法:
間接覆髄剤(水酸化カルシウム製剤)を貼付し、さらに仮封し、経過を観察 する。
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歯科すやまさんでは、むし歯が神経の近くまで及んでいたり、むし歯の治療中に歯髄が露出(露髄)したりしても、歯髄の状態が良ければ、むし歯をとった穴にMTAセメント▶というセメント薬(保険外診療)を詰めて、外部からの刺激を遮断して歯髄を保護します。その治療を直接覆髄(ちょくせつふくずい)といいます。
直接覆髄法
大きな虫歯でも神経を残す治療
直接覆髄法とは、⾍⻭が深く神経が多少露出してしまっている場合でも、露出した神経を薬剤で直接覆うことで神経を保護する治療法です。むし歯に感染した象牙質除去後の窩洞で偶発的に露髄(歯髄が外部に露出)したものに対して、露髄が小さくかつ細菌感染がないものに、歯髄保護とデンティン・ブリッジ形成(象牙質の再生)を導くためにMTAセメントを用いて行います。このMTAは保険外の材料です。
注:保険内での治療をご希望の場合は、大阪大学歯学部附属病院の保存科▶をご紹介しています。
注:歯髄が非可逆性(元に戻らない)の炎症を起こしていると抜髄(歯髄を完全に除去する術式)が必要となることが多いです。
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直接覆髄法のメリット
①できるだけ歯を削らずに治療できる
⻭の神経を取る治療では、どうしても便宜上⻭を⾍⻭のサイズよりも⼤きく削らなくてはなりません。神経を保存できれば⻭を削る量も最⼩限で済むので、⾃分の⻭をなるべく保つことができます。
②神経を保存し歯の寿命を伸ばせる
神経を抜いてしまうと歯の削除量の増加や修復物の影響により⻭が折れやすくなってしまいます。⻭の寿命を伸ばすには、⻭の神経があるかどうかがとても重要なのです。
③神経近くまで達している虫歯にも使用できる
神経が細菌に感染していなければ、⾍⻭が深くても神経を保護してあげれば保存が可能です。殺菌効果と⻭の修復の補助効果があるので、神経の保存の可能性を⾼めてくれます。
直接覆髄法のデメリット
①治療後にしみることがある
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治療の過程で、神経近くの⾍⻭を取ったり薬を⼊れたりと⻭に刺激を与えるので、⼀時的に神経が過敏になることがあります。しかし、この症状は徐々に落ち着いてきます。
②症状が出ている場合は使用できない
⾍⻭のある⻭に持続的な強い痛みがある場合には、神経が細菌に感染し炎症が起こっています。その場合には、根の先端まで神経を取らざるを得ません。
③神経が死んでいる場合は使用できない
神経がすでに細菌感染して死んでしまった場合には、神経は元に戻りません。神経を取り、きれいに⻭の中を掃除する治療を⾏う必要があります。
さらに⻭⾁を下げなくてはならないほど⾍⻭が進⾏しているケースや⻭根破折を起こしているケースでは治療の適応とはなりません。
④保険外の治療となる
保険が適⽤にならないため、治療は自由診療となります。
MTAセメントを用いた直接覆髄の成功率
研究報告によると、MTAを用いた直接覆髄の成功率は概ね80-90%前後とされています。
これは歯科すやまさんでの治療の写真になります。
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具体的には:
2-3年の経過観察で約85-95%の成功率
適切な症例選択と無菌的処置を行った場合は90%以上の成功率も報告されています
ただし、成功率は以下の要因に大きく影響されます:
- 露髄の原因(機械的露髄か齲蝕による露髄か)
- 露髄の大きさ
- 露髄時の出血のコントロール
- 無菌的処置の確実性
- 患者の年齢や全身状態
- 特に、機械的露髄(医原性露髄)の場合は、齲蝕による露髄と比較して成功率が高くなる傾向があります。
また、保険の材料である水酸化カルシウム製剤と比較すると、MTAの方が以下の点で優れているとされています:
- 硬組織形成が早い
- 形成される象牙質架橋の質が良好
- 細菌封鎖性に優れている
- 生体親和性が高い
これらの特性により、長期的な予後も良好な傾向にあります。
ただし、直接覆髄を行ってもダメな場合もあります。
1. お電話の方はこちらからご予約ください▶ 0120-55-8249
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◎診療時間
【月、火、水】10:00~12:40
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(16:40~17:40は矯正のみ)
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日曜日に月3回、矯正のみ10:00~12:40
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また当医院では、1995年より小児歯科+矯正歯科として、強い歯を育て、美しい歯並びを造り、守ってまいりました。
これまで13500人以上のご来院があり、矯正においては1900人以上です。
2010年頃から こどもさんのむし歯が少なくなり、インビザライン矯正をご希望される方が増えたため、現在では予防歯科+矯正歯科が私たちのメインの仕事になっています。
当医院は岡町駅(阪急宝塚線)から東へ徒歩12分です。医院前に4台、医院の東隣にある白い大きな家の地下に3台の駐車場(ノーマルのアルファードの車高OK)があります。
桃山台、緑地公園、宝塚、箕面、茨木、吹田、伊丹、少路から来られる方もおられます。