永久歯のむし歯治療(紹介先での最先端治療)

こんにちは、こむら小児歯科・矯正歯科です。

当院では、大きく歯を削る治療を行っておりませんので、その場合は他院をご紹介させていただくことになります。

この記事ではご紹介させていただく歯科での処置についてご説明します。


むし歯が急激に進む時

深いむし歯を正確に削り取って薬剤を詰めるには、高い技術と特別な薬剤が必要です。

当院では、こうした治療を行っておりませんので「歯科すやま」さん▶をご紹介させていただいております。

ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

当院のご紹介先「歯科すやま」さん▶︎での治療について

一言で「むし歯」と言っても進行の程度で症状や治療法が大きく変わってきます。

深いむし歯の場合、保険診療では神経を取る治療法が選択されがちですが、神経を残せば歯の寿命を伸ばすことができます。

できる限り神経を残すことができる、MTAセメントを使った「直接覆髄法」(保険適用外)を「歯科すやま」さんでは受けていただけます。

この写真は「歯科すやま」さんでの治療例です。

※全てのむし歯に適用できる治療法ではありません。

MTAセメントを使った直接覆髄法

むし⻭が深く、治療で神経が多少露出してしまっても、薬剤で神経を直接覆って保護をする治療法です。大きなむし歯でも神経を残せる可能性があります。

むし歯を削った時に、神経の露出が小さく細菌感染のない良好な状態の場合、MTAセメントという薬剤を詰めていきます。この薬剤は、殺菌作用や歯の修復作用などの効果があります(保険適用外の薬剤です)。

注:保険内での治療をご希望の場合は、大阪大学歯学部附属病院の保存科▶をご紹介しています。

注:歯髄が非可逆性(元に戻らない)の炎症を起こしていると抜髄(歯髄を完全に除去する術式)が必要となることが多いです。

直接覆髄法のメリット

① できるだけ歯を削らずに治療できる

歯の神経をとる時には、むし歯の部分以上に歯を大きく削らなくてはなりません。しかし、神経を残せるとなれば、歯を削る量も最小限ですみます。できるだけ多くのご自身の歯を残すことができます。

② 神経を残すことで歯の寿命を伸ばせる

神経を取ってしまうと、⻭が折れやすくなってしまいます。⻭の寿命を伸ばすには、神経があるかどうかがとても重要なのです。

③ 神経近くまで達しているむし歯でも使える治療法

むし⻭が深くても神経が細菌に感染していなければ、神経を残すことができます。使用する薬剤には、殺菌効果と⻭の修復を助ける効果があるので、神経保存の可能性を⾼めてくれます。

直接覆髄法のデメリット

① 治療後にしみることがある

神経の近くを治療するため、一時的に歯がしみやすくなることがあります。この症状は通常、時間とともに自然に落ち着いていきます。

② 強い痛みなど症状がある場合はできない

むし歯になっている歯に強い痛みが続いている場合は、すでに神経に炎症が起きている可能性が高く、この治療法は選択できません。その場合は、神経を完全に取り除く治療が必要となります。

③ 神経が死んでいる場合はできない

神経が健康でない場合は選択できません。神経が細菌に感染してすでに死んでしまっている場合や、むし歯が歯ぐきの下まで進んでいる場合、また歯の根に亀裂がある場合は、この治療法は使えません。

④ 保険適用外の治療

この治療で使用するMTAセメントという薬剤は保険適用外となるため、治療費用は全額自己負担となります。

MTAセメントを用いた直接覆髄の成功率


研究報告では、MTAを用いた直接覆髄法の成功率は約80〜90%前後とされています。

ただし、成功率は以下の要因に大きく影響されます。

  • 神経が露出した原因(機械的露髄かう蝕による露髄か)
  • 神経がどれくらい露出しているか
  • 治療時の出血のコントロール
  • 細菌感染を防ぐための処置
  • 患者様の年齢や全身の健康状態
  • 特に、機械的露髄(医原性露髄)の場合は、齲蝕による露髄と比較して成功率が高くなる傾向があります。


また、間接覆図に使用する水酸化カルシウム製剤と比較すると、MTAの方が以下の点で優れているとされています

  • 歯の組織に近い硬い組織が早くできる
  • 歯の組織と新しい組織がしっかりとくっつく
  • 細菌が歯の中に入りにくい
  • 体に優しいので、炎症を起こしにくいと言われている

こうした理由から、治療後、長い目みて予後も良好な傾向にあります。

※直接覆髄法は歯の神経を残せる可能性がある優れた治療法ですが、すべてのケースで成功するわけではありません。

後も良好な傾向にあります。

成功の判定基準

  • 歯がズキズキ痛むことがないこと
  • 歯を軽くたたいても痛みがないこと
  • エックス線写真で歯の根の先端に炎症による病変が見られないこと
  • 電気刺激に対して、歯が痛みを感じたり、しびれたりといった反応を示すこと

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