矯正は“未来を整える選択”
支えに感謝し、次世代へ
今から50年ほど前のことです。
私は小学生の頃、まだあまり一般的ではなかった矯正治療を受けていました。
ある日、担任の先生に呼ばれ、職員室で「見せてごらん」と言われて口の中を見られたことを、今でもよく覚えています。
当時は装置の違和感や目立つことが恥ずかしく、
その治療のありがたみを感じる余裕はありませんでした。
ですが、年を重ね、親になった今になって、
ようやくその意味に気づくようになりました。
あれは、親がくれた“未来を整える選択”だったのだと。
「特別な治療」から「自然な選択肢」へ
以前は、矯正というと“限られた人が受けるもの”という印象がありました。
しかし今は、もっと多くのお子さんに、もっと自然に矯正治療を届けられる時代になってきています。
私たちもその流れの中で、できることを一つずつ丁寧に積み重ねています。
たとえば当院では、小児矯正において費用面にもできる限りの配慮をしながら、
- 成長に合わせた最適なタイミングで
- ご家庭に無理のない治療計画で
- それぞれの事情に寄り添いながら
「やってあげたかったけれど、できなかった」という後悔が少しでも減るよう、
まずは相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。
「より良い治療を求める方」にも応えたい
一方で、「子どもには最善の治療を受けさせたい」と強く願うご家族も少なくありません。
そうした想いに応えるため、当院では
**マウスピース型の矯正「インビザライン・ファースト」**という選択肢もご用意しています。
これは最新のデジタル技術を用いた矯正で、
- 見た目が自然で快適
- 食事や歯磨きの負担が少ない
- 精度の高い仕上がりが期待できる
といった特徴があります。
費用は高額になりますが、それに見合う価値を感じていただけるよう、丁寧な設計と対応を心がけています。
私たちは、費用を抑えたいご家庭にも、最上の治療を求めるご家庭にも、
それぞれに合った選択肢をご提案できるよう努めています。
小児歯科と予防歯科の原点は、大学での学び
大学時代、小児歯科の研究室でお世話になった楽木先生のもとで、
**「フッ素が牛の歯にどう取り込まれるか」**という基礎研究に取り組みました。
この経験は、いまでも私の診療の根っこにあります。
「歯を削る前に、守ることができないか」
そんな考えが自然と身につきました。
- フッ素塗布
- 歯みがきの習慣づけ
- 食生活や生活習慣の見直し
こうした地道な取り組みこそが、本当の意味で患者さんの人生を支える医療だと信じています。
若い頃の「デジタルへの慣れ」が、今の強みに
小児歯科教室では、当時としては珍しくMacintoshが導入されており、
私は学会発表もすべてパソコンで行っていました。
当時はただ便利だと思って使っていただけでしたが、
それが今、インビザラインというデジタル矯正の設計・導入に活かされていることを実感しています。
アメリカ式の合理性に触れた7年間
勤務医として、たけうち矯正歯科で7年間過ごしました。
武内先生は、アメリカ・ワシントンD.C.で矯正治療の現場を経験された方で、
その診療スタイルはとても明快で合理的でした。
- 的確な診断
- 論理的な治療計画
- スタッフと一体となった診療体制
このような環境で学べたことは、
現在の私の診療方針──**“無理をせず、患者さんに合った矯正”**を支える大きな土台となっています。
高校時代の「物理好き」が、今の矯正治療につながっている
高校時代、物理が好きでした。
支点や力点、モーメントやベクトルの考え方が、ただ楽しかったのを覚えています。
今思うと、矯正治療はまさにその延長です。
「歯にどの方向から、どれだけの力をかけるか」
それを考えるには、物理的な感覚がとても大切です。
当時の興味が、今の自分の支えになっていると感じています。
大人の方にも、無理のない矯正を
当院では、大人の方の矯正治療にも力を入れています。
主にマウスピース型矯正「インビザライン」をご案内しています。
- 装置が目立たず快適
- 自分で取り外せて衛生的
- 忙しい日常にも取り入れやすい
- 治療計画がデジタルで見える化されている
また、当院の症例が**インビザライン国際症例集「Align Global Gallery」**にも掲載されました。
これは、日々積み重ねてきたことが少しでも形になったようで、素直にありがたく感じています。
▶ 掲載症例を見る
医院の軸は「自分で動けるスタッフ」
ありがたいことに、当院には20年以上在籍してくれているスタッフが何人もいます。
今では、そうしたスタッフたちが医院の文化を支えてくれています。
- 丁寧で思いやりのある説明
- 状況を見て自分で判断できる応対
- 小さなお子さんにも安心感を与えるやさしい視点
これは、マニュアルでは教えられない「空気」のようなもの。
積み重ねてきた歴史がつくった財産だと思っています。
最後に──30年という月日を経て
矯正のありがたさを理解できなかった子ども時代から、
大学での学び、勤務医としての日々、そして現在に至るまで。
振り返ると、本当に多くの方々に支えられてここまで来ることができたと感じます。
先生方、スタッフ、患者さま、ご家族のみなさま──
すべてのご縁に、心から感謝しています。
だからこそこれからは、
“未来を整えたい”と願うすべての方へ、無理なく続けられる「ちょうどいい矯正」をお届けしたい。
その想いを胸に、これからも一歩ずつ進んでまいります。
【こむら小児歯科・矯正歯科】
- 2025年で開院30周年を迎えました。
- 小児矯正・成人矯正(インビザライン)・小児歯科・予防歯科に対応しています。
- 「必要な人に、必要なときに、必要なだけ」──その姿勢を大切にしています。