夜、お子さまの寝ている部屋から「ギリギリ」という歯ぎしりの音が聞こえて、驚かれた保護者の方は少なくありません。「歯が削れてしまうのでは」「どこか悪いのでは」とご心配になるお気持ちは、よく分かります。
子どもの歯ぎしりは、実はとても多くみられます。そして、その多くは成長の途中で起こる自然な現象です。ただ、なかには少し気をつけて診ておきたい場合もあります。今日は、その両方をお伝えします。
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LINEで相談するなぜ、子どもは歯ぎしりをするのか
理由は一つではなく、いくつかが重なって起こります。
① 歯の生えかわりと、あごの成長
子どものお口の中は、日々変化しています。新しい歯が生えてきたり、あごが大きくなったりするたびに、噛み合わせは少しずつ変わります。歯ぎしりには、その新しい噛み合わせを体が探して、なじませていく面があります。そのために乳歯は柔らかく、すり減りやすくできています。生えかわりの時期に増えることが多いのは、このためです。
② こころの緊張や、疲れ、興奮
楽しいことがあった日や、環境が変わったとき、疲れがたまったときに、一時的に増えることがあります。大人が気づかないような小さな変化にも、子どもは敏感です。
③ 睡眠と、呼吸の関わり
ここは少していねいにお伝えします。鼻がつまっていたり、口で呼吸をしていたり、扁桃やアデノイドが大きかったりすると、寝ている間の呼吸がしづらくなることがあります。そのとき、気道を確保しようとして、あごや歯に力が入り、歯ぎしりとして現れることがあります。いびきや口呼吸をともなう歯ぎしりは、呼吸の状態も含めて診ておきたいサインです。
多くの場合は、成長とともに落ち着きます
①や②が背景であれば、生えかわりが進み、あごの成長が落ち着くにつれて、歯ぎしりも自然とおさまっていくことが多いです。乳歯がある程度すり減るのも、その範囲であれば、めずらしいことではありません。
ですから、歯ぎしりの音が聞こえたからといって、すぐに何か処置が必要になるわけではありません。まずは、落ち着いて様子を見ていただいて大丈夫なことが多いのです。
それでも、診ておきたいサイン
次のようなことがあれば、一度ご相談いただくことをおすすめします。今、確認しておけば、選べる対応が広がります。
- 歯のすり減りが目立つ、歯が欠けている
- 歯やあご、こめかみのあたりを痛がる、朝に痛みや疲れを訴える
- いびきをかく、口で呼吸をしている、寝ている間に呼吸が乱れる
- 昼間もぼーっとしている、寝ても疲れが取れていないように見える
とくに、いびきや口呼吸をともなう場合は、鼻やのど(扁桃・アデノイド)の状態も関わっていることがあり、必要に応じて耳鼻科の先生と連携して診ていきます。
ご家庭でできること
- 寝る前は、強い光や興奮を避けて、ゆっくり過ごす時間をつくる
- 鼻づまりがあるときは、そのケアをしておく
- 「歯ぎしりをやめさせよう」と無理に起こしたり注意したりしない(多くは無意識のことなので、お子さまの負担になります)
こむらの考え方
子どもの歯ぎしりを診るとき、私たちは「歯が削れているかどうか」だけを見ているのではありません。噛み合わせ、あごの成長、そして睡眠中の呼吸の状態まで含めて、その子の今の状態を確かめます。
大人に使うようなナイトガード(マウスピース)を、成長期の子どもにそのまま当てはめることには慎重でありたいと考えています。あごが育っていく時期だからこそ、その成長を妨げない診方を大切にしています。
歯ぎしりの音が気になったら、「様子を見て大丈夫なもの」か「今、診ておきたいもの」かを、一緒に確かめていきましょう。気になることがあれば、検診のときにお気軽にお声かけください。