インビザライン(マウスピース治療)のメリットとデメリットについて

*インビザラインのメリット

①目立たない
インビザラインは、従来の金属ワイヤーとブラケットによる矯正装置とは違い、透明なマウスピース型のため、目立たず周囲から気づかれにくい装置です。

②痛みや違和感が少ない
インビザラインは、厚さ0.5mmのマウスピースを7日~10日毎に交換していきます。1つのマウスピースで歯を動かす距離が少ないため、痛みがほとんどありません。金属ワイヤーとブラケットのような装置自体の異物感が少なく、マウスピース自体も歯の部分だけを覆う最小の形態となっています。

③ご自身での取り外しが可能
マウスピースは、必要に応じてご自分で取り外しが可能です。食事や歯磨きの際には取り外すことができるので、虫歯や歯周病などの心配もありません。

④通院回数が少ない
個人差がありますが、基本的に2ヶ月~3ヶ月毎の通院となります。留学や海外出張などで来院が困難な場合にはさらに通院回数が少なくなるよう対応も可能となっています。

⑤信頼度の高い矯正装置
インビザラインは、世界中で800万人以上の治療実績があり、数多くの研究が行われています。より確実で快適な治療が提供できるよう日々改良が加えられ、進化し続けている矯正システムです。

⑥幅広い症例に対応
治療前のコンピュータによる3Dシミュレーションを使用することでより確実な治療が可能です。一般的なマウスピース矯正では治療が困難な、抜歯が必要なケースや、ひどい出っ歯やガタガタの歯などの矯正も、インビザラインでは短期間の部分的なワイヤーやゴムを併用することで幅広い治療が可能になりました。

⑦同時にホワイトニングが可能
インビザラインのマウスピースを利用してホワイトニング(ホームホワイトニング)を行うことができます。ブラケットがないため、オフィスホワイトニングも可能です。

⑧子供から装着可能
インビザラインは、これまで主に永久歯が生えそろう時期の矯正治療で使用していましたが、インビザラインシステムの技術進歩により、乳歯と永久歯が混在する時期の矯正治療からの使用が可能となりました。

*インビザラインのデメリット

①装着時間を守らないと歯が動かない

ワイヤー矯正の場合、取り外しは歯科医院で行わなければなりませんが、インビザラインのマウスピースは、患者様ご自身で簡単に取り外しが可能です。1日20時間以上を目標にマウスピースを装着しないと歯が計画通りに移動せず治療の失敗につながります。決められた時間付けていただくといった自己管理が患者様に必要となってきます。「取り外せること」はインビザラインの大きなメリットですが、デメリットにもなり得るのはそのためです。

②歯に何もつかないわけではない

インビザライン治療では多くの場合”アタッチメント”と呼ばれるプラスチックを歯に貼り付けます。何もつけないことを選ぶことはできますが、計画していた歯の動きができなくなる可能性があります。実はこのアタッチメントこそがアラインテクノロジー社の特許でした(現在は特許は切れています)。インビザラインなら歯の表面に何もつけないで済むと思っている患者様は多くいますので注意が必要です。

③歯と歯の間を少し削ってスペースを作る必要がある

インビザラインではスペースをかせぐために歯と歯の間をしばしば削る場合があります。削る量は最大で0.5mm程度で、この程度では歯の健康は損なわれず、削るときの痛みもほとんどありませんので麻酔は通常不要です。ただあまり多くの場所を削る位なら、抜歯の矯正を選択したほうが良い場合もあります。また矯正を始めた当初、歯にデコボコがある状態で歯と歯の間を削ろうとしても正確に削ることは困難です。歯をある程度並べたあとで、ブラックトライアングル(歯と歯の間の隙間)の出方や、正中のズレを考慮しながら削合量を決めていくのが上手な歯科医のやり方とされています。

④奥歯の噛み合わせ不良が生じる場合がある

インビザラインの代表的な副作用です。奥歯と奥歯の間にマウスピースをはさむので、噛む力が矯正力となってしまい、もともと噛んでいた奥歯が当たりにくくなることがあります。日中に歯を嚙みしめる癖のある方や、歯ぎしりをする方の場合は影響が出やすいです。この状態はインビザライン単独でのリカバリーが難しくなることが多いです。部分的にワイヤー矯正を行い、顎間ゴムなどを併用して治療に当たることが必要になります。ワイヤー矯正ができない一般開業医での対応は難しく、矯正専門医院でインビザライン治療を受ける最大のメリットはこの点にあります。また、マウスピース矯正は上の歯と下の歯の間にマウスピースが介在するので、ワイヤー矯正ほどの噛み合わせの細かな調整は不可能です。ただ、患者様ご自身が咬みにくいと思われるほど噛み合わせが悪くなることは少なく、ワイヤーのリカバリー矯正を行えば問題ない程度には回復できることが多いです。

⑤1度ずれたら元にもどりにくい

インビザラインはアメリカの工場から1年分なら1年分、2年分なら2年分、まとめて医院に届きます。型どりをしなくて良いところは楽なのですが、時間がたてばたつほどマウスピースと歯の間に隙間が空きやすいです。インビザラインは歯の上に被せる”帽子”のようなものです。ぴったりくっついていれば歯は動きますが、間に隙間ができてしまっては歯に全く力がかかりません。特に歯を引き上げるような力は加わりません。マウスピースと歯の間に隙間が空いたとき、1本程度であればリカバリーの方法もありますが、全体的にフィットが悪くなってきた場合は型の取り直しが必要です。

⑥長時間使わないといけない

インビザラインでは1日22時間以上の装着が推奨されています。臨床的には通常、20時間程度の使用で問題無いと考えられています。ある日に10時間アライナーを装着し、その次の日に10時間使ったから合計20時間で1日分使ったことになるわけではありません。しっかり決められた時間使用して頂くことが必要です。インビザラインのアライナーは1個につき歯を最大0.25mm程度動かすのですが、2時間~4時間程度アライナーを外していると元に戻ってしまう可能性があります。またインビザラインのアライナーを入れたまま食事をすることはできません。食事のたびに外さないといけないので、人前でよく会食をされる女性の場合は、人前でいちいちマウスピースを付けはずしできないという理由でインビザラインを敬遠される方もおられます。またしょっちゅう味見をする仕事をしている方(パティシエさんなど)も注意が必要です。

⑦ワイヤー矯正より時間がかかる場合が多い

一般的に、ワイヤー矯正のほうが時間が短く終了する傾向があります。インビザラインは歯科医師が調整できないので、何か修正しようとするといちいち型をとってアメリカに送る時間のロスが出てきます。歯の動きはどんな矯正方法でも差はありませんが、インビザラインは小回りが利かないぶん、時間がかかりやすいと言えます。

⑧治療できないケースがある

患者様の歯並びやお口の状態によっては、インビザラインでは治療できないことがあります。例えば重篤な歯周病の場合、矯正治療を行うことで歯が抜けるおそれがあります。そのため、矯正治療に入る前に、しっかりと歯周病の治療を行う必要があります。また顎関節症の場合も、その治療を受けていただいてからとなります。歯の数が少なかったり、咬合力が強すぎたりなど、症例によってインビザラインだけでは矯正が難しいなどもまれにありますので、まずはご相談ください。

⑨抜歯の場合不適応となるケースがある

マウスピースの中で歯がズレてしまうと、歯は動かなくなってしまいます。抜歯の矯正をすると奥歯が前に倒れやすく、いったん倒れてしまうとインビザライン単独でのリカバリーは困難です。一般的にインビザライン単独での抜歯を伴う治療は困難と考えられています。例外的に、ワイヤーを併用したり、奥歯の前への移動距離が2mm以内で収まる場合などは抜歯の矯正ができる場合もあるのでご相談ください。

*おわりに

インビザラインは正しく使えばメリットの大きい治療法です。ですが、ネット上での情報はインビザラインを勧めたい企業とクリニックからの話ばかりで、コマーシャルベースに偏っています。本来、抜歯の矯正で行うべき矯正をインビザラインで無理に行って失敗した患者様もいらっしゃいます。インビザライン治療でお困りの患者様は1度当院にてご相談ください。

こむら小児歯科・矯正歯科での治療費用は45万円(税別)からになります。

こむら小児歯科・矯正歯科のサイトはこちら▶