拡大床について

拡大床とは? 

拡大床(かくだいしょう)とは、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りないときに歯列を頬側に拡大してスペースを作る装置です。成長期のお子様の場合は、プレートやワイヤーでできた拡大装置を用いて上顎や下顎を広げ、歯を並べるためのスペースを作ることができる場合が多いです。

不正咬合(悪い歯並び)は顎の骨と歯の大きさのバランスの不調和により起こります。すなわち、顎の骨が小さいために歯が並びきらず、歯並びがバラバラとなってしまうのです。

通常の矯正では歯を綺麗に並べるためのスペースを確保するために抜歯などの処置を必要とするのに比べ、拡大装置を用いる矯正では顎の骨自体を横方面に広げることにより、スペース不足を解消します。顎を拡大する矯正の最大の利点は、歯を抜かずに矯正治療を行えるケースが増えるということです。拡大装置で顎をゆっくりと押し広げていく治療ですので、発育途中のお子様に適しています。

拡大床の適応症例

顎を広げる矯正治療は、叢生(乱ぐい歯、八重歯/デコボコの歯並びのこと)の治療に適しています。

痛みについて

①入れて初めの2,3日は飲み込む時に嘔吐反射や上手の飲み込めずお子様が喉が痛いと表現することがあります。

②ネジを回しだすと(特に下顎)奥歯の内側歯肉が痛くなりやすいです。調整が必要ですからこの時はお電話の上ご来院ください。

③乳歯の動揺が始まると取り外しのときに動揺してる乳歯に触れるので痛みが出ます。調整が必要ですからこの時もお電話の上でご来院ください。

床矯正の利点

①抜歯をせずに矯正治療を行うことができる場合があります。

②取り外し可能

装置をつけていることから起こるストレスを軽減出来るだけでなく、食事や歯磨きの際に装置による制限を受けません。

外出時には装置をはずすことが出来ますので、気付かれずに矯正治療を行うことが出来ます。

床矯正の欠点

①適応出来る症例に限りがある

顎の拡大には制限があり、適応症例に限りがあり、成長期のお子様全てに適用できるわけではございません。また細かく歯は動かせません。

②治療期間が長くなることがある

拡大床だけで歯をきれいに並べることが出来ない症例の場合は、ワイヤーを使用する矯正も併用する必要がございます。

③紛失のリスク

取り外しが出来るため、装置を落として壊したり失くしたりするリスクがあります。

ご使用方法

ネジの回し方について

上部のネジ穴に回転棒を挿入して、装置に書かれている矢印の方向に回すと90°で止まります。ここまでが1回です。

※1回=90°です。1回=360°回転ではありませんので、ご注意ください。(360°回すと「4回」回転させたことになってしまいます。)

就寝前など、最も連続して装着できる時間帯の前に、回転を行ってください。いつ何回転させるかは患者様の治療計画によって異なりますので、医師の指示に必ず従ってください。ご不明点がございましたら気軽に問い合わせください。

装着方法

最低でも1日合計8時間以上装着してください。連続8時間ではなく、数回に分けてOKです。ただし、1回の使用で最低30分以上の装着をおすすめしています。装着時間の管理のためにメモをするのも良いですね。

上下の見分け方

幅広で横長の形状の装置が上、U字型の形状の装置が下となります。

使用上の注意点

①専用ケースに入れての保管をお願いします

紛失や破損を防ぐため、外した装置は必ず専用ケースの中に入れて保管してください。

②真水で濡らしたまま長時間保管しないこと

クラスプ(ワイヤー)部分が錆びる可能性があります。 

③装着期間をお守りください。

1日の合計装着時間や1回あたりの装着時間が短い場合は効果が期待できませんので、必ずお守りください。

お手入れの方法

お手入れの方法はマウスピースと同様です。洗浄は、40度以下のぬるま湯または水で行ってください。

*おすすめの拡大床洗浄方法

歯ブラシでのブラッシング(歯みがき粉の使用はNG)

リテーナー用洗浄剤でのつけ置き

超音波洗浄機での洗浄

*拡大床洗浄時の注意点

熱湯での洗浄、アルコール消毒は控えてください。拡大床の変形や破損の原因となります。

入れ歯用の洗浄剤や台所用漂白剤も使用しないでください。

その他Q&A

拡大床を使ったら出っ歯にはならないのか?

顔は大きくなることはないのか?

拡大床は前歯の側ではなく頬側にスペースを確保するので、出っ歯になることはありません。また、通常は上下顎の両方を、状態を観察しながら拡大していきます。(下顎だけ拡大すると、下顎だけ引っ込んで相対的に上顎が出ているように見えますが、レアケースを除き、下顎だけ拡大することはまずありません。)

また、拡大量は数ミリで、頬肉に吸収されるので見た目への影響はほぼありません。いずれにしても、医師がレントゲンなど適切な検査をして最適な治療計画のために必要と判断した場合のみ拡大床の併用をすすめますので、安心してくださいね。