「むし歯になったら、削って詰めればいい」。そう思っていませんか。けれど、削って詰めることは、ゴールではありません。むし歯は、一度はじまると、歯を一段階ずつ失っていく長い道のりの、入り口でもあります。
この記事では、むし歯を放置するとたどる「歯を失う順番」を、正直にお伝えします。こわがらせるためではありません。この道は、早めの予防で避けられること、そしてお子さまの歯には、まだ多くの選択肢が残っていることを、知っていただきたいからです。
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LINEで相談するむし歯は、一度できると元には戻らない
歯の表面は、ごく初期であれば「再石灰化」という働きで修復できます。けれど、穴があくところまで進んでしまうと、自然には元へ戻りません。そこから先は、削って人工物で補うことになります。そして人工物は、どんなに精密でも、いつかは寿命を迎えます。
つまり、最初の一歩を踏み出すかどうかが、その後の歯の一生を大きく左右します。
歯を失う、6つの段階
むし歯を治療せずに進ませると、歯はおおよそ次の順番で失われていきます。
① むし歯ができる

歯の表面が溶け、穴があきはじめます。痛みが出ないことも多く、気づかないうちに進むのが、むし歯のこわいところです。
② むし歯を削る

むし歯になった部分を削って、詰め物をします。このとき、むし歯のまわりの健康な歯も、少し一緒に削ることになります。詰め物には寿命があり、やり直すたびに、歯は少しずつ小さくなっていきます。
③ 歯の神経を取る

むし歯が神経まで達すると、神経を取る治療が必要になります。痛みからは解放されますが、神経を失った歯はもろくなり、しみる・痛むというサインも受け取れなくなります。次のトラブルに、気づきにくくなるのです。
④ 被せ物をする

もろくなった歯を守るために、セラミックなどの被せ物をかぶせます。見た目は回復しますが、これも人工物です。すき間からむし歯が再発したり、年月とともに作り直しが必要になったりします。そのたびに、土台の歯は削られていきます。
⑤ 抜歯

作り直しを重ね、土台の歯が保たなくなると、抜歯になります。歯を1本失うと、かみ合わせのバランスが崩れ、となりの歯や、かみ合う歯にも負担がかかります。
⑥ インプラントなどで補う

抜けたところは、インプラントや入れ歯、ブリッジで補います。失った機能はある程度取り戻せますが、自分の歯そのものが戻るわけではありません。手術や費用、その後の手入れも必要になります。
一段階ごとに、戻れなくなっていく
この6段階に共通するのは、進むほど後戻りができず、選べる道がせまくなるということです。口の中は、細菌が多く、高温多湿。かむときには、体重と同じくらいの力が歯にかかります。そんな厳しい環境で、人工物が自分の歯と同じだけ長持ちすることは、なかなかありません。
だからこそ、この道のりは「できるだけ入り口で止める」のがいちばんなのです。
だから「削らないために、見つけて、育てる」
当院が予防にこだわるのは、この順番を、お子さまにできるだけ歩ませたくないからです。早いうちに予防の習慣を身につけ、浅いむし歯のうちに見つけて育てれば、自分の歯を長く使うという、いちばん良い選択肢が残ります。
「健康で幸せに過ごすために、80歳で20本以上の歯を残す」。その近道は、特別な治療ではなく、乳歯のうちからの予防です。この記事は、こわがらせるためではなく、お子さまの将来の選択肢を、いまのうちに広げておくためにお伝えしました。
「削らずに育てる」って、具体的にどういうこと?という方は、▶ 再石灰化のしくみ へ。お子さまの予防の通院をはじめたい方は、▶ 小児歯科|削らないために、見つけて、育てる。ご相談は 予約フォーム からどうぞ。
